文・コールマン 絵・うめしげ (無料でキャラクター作成、作例物語)
2.
純也が音楽室で茜に見とれていると1人の男性が話しかけてきた。
粋也:これはこれはお似合いのおふたりがいるね。
純也:粋也か、何しに来た? お似合いって?
粋也: 何となくお似合いの2人だなって。
純也:なんの話だよ。何しに来たんだよ? 質問に応えろよな。
粋也:ここは邦楽部ですよね? 露木先輩。
茜:そうよ。
純也:お前なんで名前しってんだ。
粋也:情報は宝だからさ。例えば邦楽部部長露木茜先輩、邦楽部の女王。
粋也:そして谷川フロンティア第1中学の吹奏楽エース、由利純也。
茜:吹奏楽部? 谷川フロンティアだって?
茜は少しびっくりした様子を見せる。
純也:それまでだデータベースくん。
純也は粋也の耳をひっぱりながら音楽室を出る。粋也は「あいたたたたっ!」と痛がりながら声を出す。
教室に戻ると、2人は話す。
粋也:なんで引っ張るのさ! 痛いじゅあないか!
純也:なんでって、お前が変な事を言うからだろ。
粋也:ひどいな、もう…… 。
と、粋也は頬を撫でながら話す。
この男は東堂粋也、純也とは同じクラスでここ1週間ほどの付き合い。変な男の子で、情報収集が得意。
まだ2人とも部活は決めていない。
純也:なんでそんな詳しんだよ。よくおれが吹奏楽部ってわかったな。
粋也:情報はその変に転がっているのさ。谷川フロンティアは有名だしね。
純也:なるほど、そんな有名ではない。
粋也:吹奏楽部は有名さ、あのあたりで君の名前を知らない人は少ない。父が警察音楽隊っていうのもね。
純也:そこまでしってるのか。
粋也:それで、君は吹奏楽部に入るの? それとも邦楽部?
純也:いやずっと考えていた事がある。
粋也:ほう、どんな事?
純也:明日な、もう遅い、帰ろう。
粋也:わかった、明日ね。
と、純也と粋也は立ち上がり教室を出る。帰り道はどうせ途中まで一緒だ。
純也:コンビニ寄っていい?
粋也:なにか買うの??
純也:まあ、飲みものだ……
粋也:ふーん。
純也と粋也はコンビニ内に入った、店員さんではなく店内の音楽が2人を迎えれる。
純也は飲み物とコンビ二限定のお菓子を買った。紙パックのココアと新商品のポテチだった。
粋也:へえ~ そんなお菓子買うんだ。意外だな、お菓子食べないのかと思ってた。
純也:食べるわ! 今日新商品なんだ、このチーズのやつ。
粋也:そうなんだ。
純也はココアとポテチを買った。
純也:じゃあこの辺で、また明日な。
粋也:わかった、また。
2人はコンビニの前で別れた。ここからは道が違う。粋也は左だし、純也は右の道だ。そこから10分ぐらい歩く。
高校からだと30分ぐらいだ。
純也は家に着くとお父さんが迎え入れた。
清光:おかえり! 今日は早かったな。
純也:今日は部活2つ見ただけだから。
清光:吹奏楽部か?
純也:なんでだよ、入らん。別だ。
清光:別なの? なんで? てっきり吹奏楽部かと思ってた。
純也:おれもだよ、部活みて違うと思った。
清光:ほー、まあお前は俺の子だ。拗らせなようにな。
純也:あなたより対処できると思うが…… 。
清光:言うな~! この野郎!
由利清光、現在警察音楽隊所属。中高大と吹奏楽部で音楽のプロだ。今は亡き祖母が保育士で、身近にピアノを聴いたとき、音楽の道を目指した。小学4年生の頃だった。昔から野球をしてそうな髪型をしているが野球の経験はない。
純也は清光の会話を切り抜き、ソファーに座ると軽くバウンドする。
するとすでに座っていた姉が怒る。
真理:ちょっと! そんな勢いよく座らないでよ。びっくりするでしょ。
純也:はいはい。
真理:あんたまだ部活決めてなんだって? もう一週間にもなるのに? なにしてるの? 帰宅部になるつもり?
純也:まだ決めかねてる。帰宅部はない。
真理:なにと迷ってんの?
純也:吹奏楽と邦楽部。でも違う考えもある。
真理:そっか、あの高校邦楽部もあったね、どうだった?
純也:吹奏楽はないかな、レベルが低く過ぎる。それと興味が惹かれなかった。
真理:フーン、邦楽部は?
純也:邦楽部か、いいと思った。だが難しい。
真理:それならあの部活はどう?
その言葉にあきらかに嫌な顔をする純也。
真理:なによ?
純也:あの部活だろ? それおれが考えていたことだ。奥の手みたいな感じで。
真理:あら! ならちょうどいいじゃない! てかあんたなんで谷川フロンティア蹴ったの?
純也:音楽はすきだ、だけどもっと刺激がほしい。
真理:変態ね!
純也:姉ちゃんに言われたくない、姉ちゃんより変人はいない。
真理:まあ否定はしない。
純也:ほらみろ。
清光:なんのはなし~! パパも混ぜて!!
真理:パパなんもないよ、ご飯は?
清光:出来てるぞ。
純也:おれは後で食べるよ。
清光:なんで?
純也:考えこと。
清光:あそう。
純也はご飯をあとにして、シャワーを浴びた。そのあと自分の部屋に入った。一人部屋で、となりの部屋が真理だ。家は二階建てだ。
母がいたころに建てた家だ。
姉の真理は現在大学3年生。純也とは6つ違いだ。家にはお父さんの清光、祖父の光昭、姉の真理、そして純也の4人が暮らしている。
姉は純也と同じく光光高校出身だ。大学では危機管理学科だ。姉は珍しいものが好き、変わった人間だ。
純也は部屋で考えていた。部活の事だ、吹奏楽部か邦楽部か、それともあの部活をまた再結成させて作るのか。悩んでいた。だがもうどうするのかはあらかた決まっている。純也は考えているうちに気づいたらも朝だった。
カラスのあの甲高い鳴き声が聴こえる。その鳴き声で純也は朝と気づいた。
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