無料でキャラクター作成、続 梅の花びら桜の花びら2

2話。

話 コールマン

絵 うめしげ

2週間後、もうすぐ授業参観の日だ。親が子供の授業を見にいき、一喜一憂する。純也は直明の授業参観に参加ができるのか、まだ、分からなかった。というのもその日は仕事が入っていた。
日曜日だし、患者さんも増える。自分が休んで、村越さんと小見の2人態勢で、仕事がさばき切れるか、2人に迷惑を掛ける事になるのも、少々、気がかりだった。
さらに今度の日曜日は1人受付の女性も休みだ。この人は子供がいて、まだ小さいので時々、休みになる事が有るが、それは仕方ない。経営者の一人として、受付を増やすか迷いところだ。

目の前の仕事をこなすだけでなく、全体的な事や、経営の事も、初めての事だらけで充実感もあるが、緊張感も沢山有った。

そんな中、純也は去年の授業参観も仕事の都合で参加出来なかった。もし、今回も欠席となると息子の直明からしたら、相当悲しい事だ。今年は何とか行けるようにしたいと思ってはいるのだが…。

――――――――― その参観日当日となり、鹿見小学校では、親たちが賑わっている。

茜は姉の桃歌を連れて、小学校に向かった。結局、この日も純也は参加できずに、仕事をしていた。
やはり日曜日ということもあり、忙しかったのだ。朝7時から沢山の患者さんが来院してくれている。恐らく帰りも遅くなるだろう。

一方、小学校では算数の時間が参観の授業だ。小学校は基本2クラスだ。1組と2組、直明は1組だ。
どの学年のクラスも親だらけだ。

浅田先生:はーい! みんな! 今日算数のお勉強をママとパパにみてもらいましょう! 頑張ってね! 頑張った子には、最後に算数頑張った賞をプレゼントするわね!

担任の浅田先生がそういうと、子供たちは大きな返事で「はーい!」と返事をした。元気が有り余ってるようだ。これぐらいの子はまだまだ元気で、遊びやお勉強にも熱心、好奇心のかたまりだ。

浅田先生:じゃあ! 始めようか!

と、浅田先生は黒板に足し算を書く。「70+3=」、「733+33=」、「500+55=」、「723+10=」、
「6+1=」の5つを書いた。
茜は、その問題を見ながらだが、自分の小学生時代を思い出していた。実は、算数は、あまり得意な方では無く、国語や社会の方が好きだった。そういえば、純也とは、そんな話をしたことがないな、今晩してみよう。そんな事を考えながら、黒板を眺めている。きっとこの問題は、小学2年生には高いレベルの算数だ。だけど直明なら、きっと大丈夫、そう心の中で願っている。

浅田先生:この足し算がわかる人!

と、浅田先生は手を挙げる。「はーい!」とみんなは、手を挙げる。直明も元気に手を挙げた。茜は、少し、ほっとした。答えるのは、1人なので、浅田先生はゆっくりと教室を見回すと、直明を指さした。

浅田先生:じゃ、直明君、前に出て、答えを書いてください。

遠目では有ったが、茜には、息子の顔が緊張している様に見えた。同様に、茜も、上手く答えられるか、緊張してしまった。上手く答えてくれます様に…。

選ばれた直明は前へでると、チョークで足し算を解いて行く。

先程の5つの問題の答えを書く。全部の問題を書き終えると、浅田先生は答え合わせをする。

この時、茜は、直明が自信に満ちた顔をしている様に見えた。流石、我が息子。

浅田先生:せいかい! 5つともせいかいよ! おめでとう!

直明:やったー!!

と、直明は喜んでいた。茜も嬉しいのと、ほっとしたのとで、少し、力が抜けた。

授業参観が終わり、先生からは今日直明の頑張った賞を貰った直明は、嬉しくて、直接、このメダルを見せようと、純也の仕事場であるしか接骨院に向かった。
貰ったメダルを胸の前に下げて、接骨院の近くまで来ると、沢山の車が止まっているのが見える。大分、混んでいる様だった。中に入り、第1と書かれてあるルームに入ろうと、少し開けてみると、そこには、患者さんの肩の治療をするお父さんの姿があった。家では、あまり見た事が無い様な真剣なまなざしで、それでいて、やさしく声を掛けている。
その姿を見た、直明は中には入れなかった。そのまま見つめていた。そこに茜が直明の肩に手を置き、話した。

茜:かっこいいね、パパ。

直明:うん。

純也は2人が見ていることは気づいてなかった。集中している。治療をしている時の純也はまるで冷静に狩りをするライオンの目だ。狩りをする勇猛な雰囲気と、メスライオンの毛ずくろいをするやさしさも感じられた。そして「この患者さんには、必ず元気になってもらいたい」と言う気持ちの表れに圧巻される。
直明はそれを暫くみていた。

茜:そろそろ帰ろうか?

直明:うん!

直明は、貰ったメダルを見せる事もすっかり忘れていた。
3人で手をつないで、家に帰る途中、直明は特になにも言わなかった。なにかを感じたのだろう。茜は、父親が参観日に行けなかった事での悲しいという感覚はなく、むしろ、誇らしげな気持ちになった。

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