文・コールマン 絵・うめしげ(無料でキャラクター作成、作例物語)
4.
3日後の放課後、この日純也と粋也は民族楽器研究会に入った。というのも、あの日すぐに2人は届を出したが大塚先生は帰ってしまっていて、校長先生は運悪く出張でいなかった。校長先生は3日後に戻るとのことだった。
それで3日後の今日になってしまった。予定より遅くなった。
ここまでは順調だ。次のステップはメンバー探し3、人いないと正式に部活として活動できない。
純也と粋也はパンフレットを作ることにした。この日2人はメンバーを探そうとパンフレットを作る。民族楽器研究会の拠点は技術室で特別棟の3階にある。音楽室は特別棟の4階だ。
パンフレットを作っていると、先生と技術室に入ってくる。
大塚先生:おい、2人とも探さなくてもいいぞ。
純也と粋也は一旦手を止めて不思議がる。
大塚先生:新しいメンバーだ。
そういって先生が紹介したのが邦楽部の露木茜だ。
粋也はその場から立ち上がり、びっくりする。純也はびっくりはしているが、顔に出さなかった。
粋也:え~!! 先輩がどうして!?
大塚先生:邦楽部やめたいんだと。それでおれに相談されてな。ここ紹介した。ぜひって話になってな。
粋也:あ、なるほど。よろしくお願いします! 先輩!
茜:よ、よろしく。
固まって一切声を出していない純也は露木を見つめる。そこに粋也が声を掛けて、我を取り戻そうとする。
粋也:おい、先輩だぞ。
それに我を戻す純也。
純也:あ、よろしくです。
茜:よろしく。
大塚先生:これで3人そろったわけだ、正式な部として歓迎するよ、民族楽器研究会メンバー!
純也:ありがとうございます。
大塚先生:正式な部になったという訳で、君たちにいうことがある! まずは9月の文化祭の出し物を考えろ! もう5月中旬、もうすぐだぞ。
純也:文化祭ね、たしかに。
大塚先生:おれは手伝わない、3人でよく話あって決めるんだ。
粋也:文化祭! やはり高校といえば、文化祭ですね! わかりました!
こうしてメンバー3人集まり、民族楽器研究会が正式に始まった。露木はなぜあの邦楽部を辞めてまで民族楽器研究会に入ったのか。
それはまだ純也と粋也は知らなかった。
純也はどこか不思議な感覚だった。粋也はアクティブなので状況に順応できるが、純也は人見知りすることがる。露木もそんな活発なほうではない。この中に粋也がいることで、雰囲気は一変する。
今後の活動はひとまず文化祭に向けた研究をすることになった。
この日はもう遅いので、帰ることにした。放課後、純也と粋也は一緒に帰る。露木は2人とは逆方向だ。
帰り、露木と別れた2人は話ながら帰る。
粋也:いやー まさか3人目のメンバーが露木先輩だとは…… 。
純也:お前が引き入れたのか?
粋也:いや! まさか! そんなことさすがにしてないよ!
純也:そうか、どんな手が回るのが早いお前でもそんな事はしないか。
粋也:まあ入ってくれればなーと思っていたけどね。
純也:思ってんじゃん。
粋也:でも邦楽部があったから。でもなんで邦楽部やめたんだろね?
純也:人間関係だろ?
粋也:さてどうかな? あの方は邦楽部の中でもずば抜けて上手い。先生も手放したくはないはず。あれだけ三味線が上手いとね、それもあり得るし、別かも。
純也:まあ入ってくれるならいいよ、思ったより早く活動できそうだ。
粋也:ともあれよかったね、先輩が入ってくれて。本当は嬉しいだろ?
純也:なんでだよ。
粋也:なんでって、さっき固まってたじゃないか!
純也:びっくりしただけだ。
粋也:僕もびっくりした。君は当分動きなかったね。先輩に惚れたか?
純也:そ! それはない!
粋也:あっそう。
純也:じゃあまたな、明日。
粋也:うんまたね。
と、2人はいつものコンビニの前で別れた。
露木のほうは家に着いていた。露木は家庭ではかなりしゃべるほうだ。自分の信用した友達も同様。
家に着くと自分の部屋でゆっくりしていた。そこに弟の理空がノックをする。
理空:お姉ちゃんお父さんが呼んでるよ。
茜:なんで?
理空:進路の事かな? 多分。
茜:わかった、今行く。
露木は一階のリビングに向かった。リビングに降りると、母の夕花と父の渉が椅子に座っている。
茜:どうしたの?
夕花:進路の事で、さっき先生から電話があったから聞こうかとおもって。
渉:まだ決まってないんだって? 将来なにになりたんだ? 夢とかあるか?
茜:先生にも言ったけど、まだやりたいことはない。
渉:ずっと三味線を弾いて生活するのか? 大学は?
茜:昨日言ったけど邦楽部はやめた、民族楽器研究会に入る。大学はまだ決めてない。
渉:え!? お父さん聞いてなんだけど!?
夕花:そっか昨日お父さん仕事だったからね、私は聞いたわよ。
渉:聞いてな…… なんか悲し。
夕花:言うの忘れてた。ごめん。
渉:ひでえ。でもなんでやめたんだ? あんな好きだった三味線を。
茜:三味線は今でもすき。だけどいまの邦楽部では私のレベルは上がらないし、あそこに私の居場所がない。それにちょっと怖くなった。
自分の子供の真剣な答えに父である渉は真面目な顔で答えた。
渉:そうか、ならその民族楽器研究会頑張りなさい。なにかあったら言うんだよ。
茜:わかった、ありがとう。
会話を終えると、今日はシャワーを浴びから寝ることにした。パジャマは女の子らしくヒマワリのデザインだ。ほかの子とは違ったプレッシャーみたいなものを感じたのだろうか、本人にも色々あるようだ。
次の日から部活に参加したが、露木はあまり発言をしなかった。まだ新しい場所に慣れていないようだ。それは大塚先生も純也も粋也もわかっていた。気を使いながら部活をこの日は進めた。露木は静かな女の子だ、まだ時間かかるだろう。
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