無料でキャラクター作成、桜の花びらと梅の花びら5章

文・コールマン 絵・うめしげ(無料でキャラクター作成、作例物語)

5.

あれから一か月、7月の始めだ。これから暑い夏が始まる。そんなとき粋也がいきなり提案をした。

粋也:はいっ! 8月18日の八八祭りで楽器弾かない?

純也:八八祭り?? あの地元の和楽器祭りだろ? よくおばあちゃんやおじいちゃんが参加してるやつ。

粋也:そう、それ参加しようよ! 思い出になるし活動として箔がつくだろ。文化祭のてがかりのもなるし。

純也:たしかにな。先輩はどうする?

茜:それはいいかもね。あれ? ふたりとも楽器は? 私は三味線できるけど。

粋也:大丈夫ですよ!

純也:おれの親は音楽の仕事しててね、その辺は大丈夫。

茜:そうなんだ、そいいえばお父さん警察音楽隊だったわね。

純也:よく覚えてますね。

茜:記憶力はいいの。

純也:どの口が言ってんですか? 俺ら音楽室で話したのに全然覚えてなかったですね。

茜:あれはたまたまよ、集中すると記憶なくなるから…… 。

と、露木は少し恥ずかしそうに純也と粋也から目を逸らす。2人は察する。

純也:ともあれみんな楽器が弾けるってことだな。じゃあ明日からその八八祭りの練習をしよう。

粋也:はーい!

純也:先輩、楽器を教えてほしい、弾けるけどあなたより上手くはできない。悪いところを教えてほしい。

茜:わかった。

こうして、地元の祭りである八八祭りに参加することになった。これから楽曲を選んで練習する。

次の日――――

放課後、技術室で3人は楽曲を考えていた。

粋也:じょんがらはどう?

純也:琴と尺八にできるか?

茜:んー じょんがらは尺八なら。

純也:そうか、なら千本桜は? みんな聞いたことあるし広い楽器に対応できる。

茜:たしかにね。

粋也:じゃあ千本桜だね。

純也:これの練習をしよう。場所はここと音楽室だ。

粋也:え、でも音楽室は借りれないんじゃ?

純也:大塚先生に言って借りてもらった。それに琴はデカいからな。楽器はおれは琴を、粋也は尺八、先輩は三味線。これいいか?

茜:ええ。

粋也:尺八は弾いたことないけど、練習するよ。

純也:ああ。とりあえず明日貸してもらってる、琴が音楽室だから行かないとな。

茜:そうね。あんた尺八持ってるの?

粋也:いい質問だね! 実は僕の家は古物商でね、楽器も手に入るんだ。それに僕は元々楽器弾てたからさ。

純也:そうだったのか。どうりで俺のこと詳しいと思ったよ。というかあったことないか? コンクールで。

粋也:それはどうかな、もう遠い記憶さ。尺八は大丈夫。

大塚先生:そのことだが、その前に期末テストがあるからな。それ合格できなかったら祭りどころじゃないぞ。

粋也:あ~ そうだった! それはやばいですね、勉強しないと。

茜:私は大丈夫。

純也:おれも大丈夫。

粋也:みんな大丈夫なの!? 僕だけ? 純也、教えて。得に理科。

純也:それなら古典教えろ。取引だ。

粋也:あれ? さっき大丈夫って言わなかった? 

純也:大丈夫だ、古典も大丈夫だが、ちょっと不安なんだ。

大塚先生:それ古典教師の前でいうか? 普通。

純也:大丈夫、先生は普通の先生じゃないから。

大塚先生:それはそれでひどい。

すると露木はクスっと笑う。それに連れて純也も粋也も先生も笑う。

この場は笑いに包まれた。初めてのことだった。純也たちは彼女の笑うところを初めてみてうれしくなる。

そして迎える7月14日、期末テストの最終日。

真剣に受ける生徒たち。テストは1年生は4日で終わりだ。テストが終わるとみんな羽を伸ばす。

純也はテストを終えると、部室に向かった。途中、粋也にあった。

粋也:おつー これで集中できるね、八八祭りと文化祭に。

純也:そうだな。

粋也:思ったんだけど、教室から技術室遠くない?

純也:そうだな、だけどしょうがないだろ。行くしかない。

粋也:君って意外と情熱的だよね、部活もそうだし、祭りの件とか。

純也:そんなことはない、部活頑張ればいい大学入れるだろ。

粋也:一石二鳥ってやつか。

純也:さて、それはこれからの俺やお前の行動次第だな。

粋也:はいはい、今回の提案は良いだろう?

純也:そうだな。

その言葉に粋也は一度立ち止まる。そしてしんみょうな顔で言う。

粋也:きっと、感謝する日がくるさ。

それに対して純也も立ち止まり、答える。

純也:…… かもな、早く行こう。

粋也:そうだね。

2人は再び歩き始めた。技術室の扉を開ける。

すると、すでに露木がいた。

純也:早いですね。

茜:ええ、テストもおわってやることなかったから。

純也:じゃあ、今日から練習をしよう。先生が音楽室にいるから行こう。

そういうと、3人は荷物を持って音楽室にむかった。技術室から音楽室までそんなに遠くはない。

音楽室に着くと大塚先生がいた。

大塚先生:やっときたか、15分まったぞ。琴は用意した。お前ら楽器は?

茜:持ってきてます。

純也:先生、ありがとうございます。

粋也:僕もこのとおり。

と、粋也は鞄の中から尺八を取り出した。

大塚先生:OKだ、さっそくはじめよう。楽譜は用意したから。

3人は鞄をおくと配置につく。純也は琴、粋也は尺八、茜は三味線だ。今日から千本桜を弾く。3人はとりあえず、合わせてみた。

これが難しい。バラバラになる。ところが純也の琴と粋也の尺八はなぜかあった。露木の三味線は一人で独走。

一通り1曲終える。

純也:……と、先輩。

茜:え、なに?

純也:緊張してますか?

茜:とくには…… 。

純也:まあ初めてにしては上出来ですね、なぜか俺と粋也合ったし。

大塚先生:んー、そうだな。

粋也:ここいつまで貸してもらえますか?

大塚先生:ここは放課後、邦楽部のない日で15時から17時だ。つまり今日のような金曜日しかここでは練習できない。

粋也:そうですか、2人ともまだ時間あるから個別で練習してみない?

純也:そうだな。

3人は個別で練習することにした。

純也と粋也は途中までは練習していたが1人で三味線を弾く音を聴いている間に心を奪われてしまった。

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