文・コールマン 絵・うめしげ(無料でキャラクター作成、作例物語)
6.
もうすぐ8月、祭りは8月18日だ。本番もあと少し。だが、まだ3人で合わせることができない。
今日は金曜日なので音楽室で練習をしている。練習が終わると、純也と粋也は帰る。
粋也:まだ3人であわないね。今日はもう帰ろう。
純也:そうだな。先輩は?
茜:私はもう少し練習する。
純也:わかりました。
そういうと、露木を音楽室に残して純也と粋也は帰る。
3階の辺で純也は粋也に言う。
純也:粋也、さきに帰ってろ、俺は忘れ物したから取に行く。
粋也:え、それなら…… わかった、また明日!
粋也はなにかを察し、1人で帰る。
純也は音楽室に戻った。音楽室では露木が1人で三味線を弾いていた。
純也:大丈夫ですか? 先輩。
茜:由利くん、どうしたの? 私は大丈夫よ。忘れ物?
純也:ええ、忘れ物です。
茜:なんの忘れ物?
純也:それはリズムの忘れ物です、先輩人と合わせるの苦手ですよね?
茜:まあ…… 。
純也:一緒に練習しませんか?
茜:え? そこまでは必要ないわよ。
純也:それはだめです、このままでは3人で合わせられずに当日迎えますよ。
茜:それは…… 私は邦楽部の女王よ! できないことはない。
純也:いいですから、手荒れなマネはしないので。
と、純也は露木から三味線を取り上げる。
茜:なにするの?
純也:これから楽器は必要ないです。一週間、楽器触らないでください。
茜:なんでよ! 時間ないのよ!
純也:だからです。いいですか、これからやるのは俺らに合わせるための練習と自信です。
茜:は?
純也:俺らと演奏すると、自信ないですよね、それどうにかしてください。そんなに三味線上手い、姿勢もいい、リズムもいいです。誰よりも。でもそれは1人の時だけ、みんなで合わせるのに慣れてない。それの練習をしましょう。
純也はすべてを見透かしたように話す。露木は聞いて、なにも言えない。露木は純也の言うことに従うことにした。
純也:まずはこれです。
と、純也は手をたたいた。
純也:全パートの音を叩いてください。先輩は1人演奏に慣れてて、周りの音が聞けてません。聞いてください。これができたら、次は音の確認です、3人で合わせたときの音源を渡しますので聞いてみてください。どこがずれているのか。音楽に関わる者なら、気づける。その後、俺らと演奏してください。その時、俺の琴を聴いてください。三味線は琴と合わせる楽器です。
茜:わかった。
純也:他のパートに気を配ることで、初めて合わせるということになります。俺は吹奏楽してたので合わせる事に慣れてます。あの変人…… 粋也はよくわりません。でも、音楽の道を辿った人間だろう。でなければ俺の演奏に合わせるは無理です。
茜:なるほど。
純也と露木はひたすら全パートのところに手を叩いて合わせる。
純也:いい感じです。続けてください。
その後、30分間練習をした。
そういうと、帰りの準備をする2人。純也は琴を片付ける。露木は楽器をしまう。
純也:先輩、いきましょう。
茜:うん。
帰り道、2人は初めて一緒に話ながら帰った。
純也:先輩って人見知りなんですね。
茜:慣れた人なら、いいんだけど。友達とか。
純也:へー、先輩はなんで三味線を?
茜:小さいころテレビで三味線の演奏を聴いて、それで始めたの。
純也:俺は中学のとき吹奏楽してたときトランペットでした。多分あの地域では自分が一番上手いです。でも刺激が足りなくてこの学校に。なにか面白い事があるのかと。ここは邦楽部もあるし。でも来てみたら、そんな普段と変わらなかった。
茜:あなた変わってるわね。
純也:お互い様でしょ。
茜:実はすこし怖いの楽器弾くのが。三味線弾くのは楽しいし、好きなんだけど。
いきなりの今の悩みを打ち明ける露木に戸惑う純也だが、彼は彼なりに応える。
純也:それは難儀だな。あれだ、邦楽部に居場所がなくても今はおれらがいますよ。
茜:ありがと…… 。
純也:まああれですね、音楽してる人には音楽で心を動かさないといけない。他では分かりあえない。
茜:心で。そうね。
純也:大丈夫です、徐々によくなってきてる。それはさすがですね1日で。
茜:ずっと音楽してるもん。ずっと一人。
と、露木は夕焼けに手をかざして悲しそうな顔を浮かべる。
純也:いまは大丈夫でしょ。
茜:君がいるから?
純也:え?
露木は立ち止まり、純也の目を見つめる。それに対して女の子に見つめられることに免疫がない純也は目を逸らして、話してしまう。
純也:いや、民研の話です。
茜:そうか。帰ろうか、今日はありがと、少し自信ついたよ。お礼にアイスなんてどう?
純也:いいんですか?
茜:いいわよ、あなたが甘いもの好きっていうのは東堂君から聞いてる。
純也:まったく…… 。
茜:行こうか、コンビニ!
純也:あ、ありがとうございます。
茜:いえいえ!
2人は近くのコンビニに向かった。コンビニに着くと、露木は二つアイスを買う。7月だが、真夏の暑さだ。2人は汗をかいている。
純也と露木は少し移動し、公園でアイスを食べる。
茜:アイス好きなんだね。
純也:ええ、それにこの暑さですし。あ、頂きます。
茜:どうぞ!
2人はアイスを食べ始めた。この瞬間2人は静かだった。純也はソーダのアイス、露木はチョコのカップのアイスを食べている。純也はこんな日が続けばいいのに、そんなことを思っていた、7月の暑い夏の今日。2人はアイスを食べ終わるまで会話は無かった。純也の心臓はバクバクだった。いつも冷静な男だが、心臓だけは正直なようだ。
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