文・コールマン 絵・うめしげ(無料でキャラクター作成、作例物語)
7.
7月も終わり、8月。ついに夏休みに入った。この日は技術室で3人は練習をしていた。
今日は音楽室が使えない、となると琴も使えない。邦楽部と吹奏楽部はもうすぐ文化祭なので、練習が活発になっていた。純也はひたすらリズムの練習、音源を聞いて自分のパートを確かめたり、確認したりしていた。
そこに大塚先生が来る。
大塚先生:やあ! 諸君、元気かな? 夏休みなのに大変だな。音楽室が使えなくて残念だ。
純也:先生は貶しに来たんですか?
大塚先生:いいや、今日はそんな気分じゃないし、新しい場所を用意してあげたぞ。学校近くの公民館だ、あそこは和楽器研究をしているやつらがいてな、そこ借りれた、琴もあるからそこに移動しよう。
純也:へー! 先生やりますね。
大塚先生:もっと褒めたまえ!
と、大塚先生は笑う。
純也たちはカバンと楽器を持って、技術室から出る。あれから、1回も合わせてない。各々個人で練習をしていた。今日が久しぶりの3人での演奏だ。
3人は公民館に着くと、早速楽器を取り出す。純也は公民館にある琴を使う。当日は琴は置いてあって、その琴を使って弾くことになっている。
純也:よし、今日は合わせよう。
粋也:そうだね、もう10日しか無いからね。
そういうと、3人は合わせて千本桜を弾き始めた。最初は好調。純也と粋也はいつも通りリズムが合う、そこに露木の三味線。露木はいつもより他の楽器を気遣っていた。
最後まで完走することができた。曲が終わると、大塚先生は初めて拍手をする。
大塚先生:上出来じゃないか!
純也:ふぅ…… ありがとうございます。今日は一段と上手く弾けましたね。
粋也:すごい! いままでより合わさった感があったよ!
これに対して、露木は静かにしていた。というのもいままでより良い演奏ではしゃぐ事が出来なかった。
純也:よし、これなら10日後、行けそうですね。
粋也:先輩! すごいですね! どうやって弾いてるんですか!? この短期間で、ここまで合うなんて!?
茜:私はなにもしてないよ、由利くんが教えてくれて、それで…… 。
粋也:なるほど、でも頑張ったに違いない。これで当日も頑張りましょう!
純也:簡単に言うな、俺は当日に弱いんだ。
粋也:それは新しい情報だね。メモメモ!
純也:勝手にメモるな!
大塚先生:ともあれ、なんとか間に合いそうで良かったよ。
純也:そうですね。
大塚先生:よし、もう1回ぐらい合わせたら今日は終わりにするぞ、ここもこれから使うそうだからな。
純也:わかりました。
そういうと、3人は早速もう一度曲を一通り合わせた。次も上手く、リズムもよく1曲を完走することができた。そして、3人は家へと帰る。先生は一度学校に寄るそうだ。
今日は3人で一緒に帰ることにした。これは初めての事だ、今まで3人で帰ることは無かった。だが、なぜか3人は口数が少ない。さっきの演奏が関係しているのだろう。
上手く弾けたこと、初めて3人の演奏が合った事、そしてなにより1番心配だった露木の音。露木が1番緊張していた。あれから露木はひたすら手を叩く練習などをしていた、もう迷惑は掛けられない。そんな思いがあった。
次第に粋也から口を開く。
粋也:あ、コンビニ寄りますか?
純也:なら、暑いからアイスでも買って食べるか。
粋也:そうだね。先輩は?
茜:ええ、そうする。
3人は、コンビニに入って、アイスを買った。そして、あのいつものベンチに座る。4人まで座れる少し大きめなベンチだ。
今日の事は凄く嬉しかった。その動揺を隠せない3人。買ってすぐだが、熱さでもう溶け始めている。そんなアイスをひたすら無言で食べた───────
10日後、本番の日。
今日はとても暑い、夏って感じの熱さとジメジメさだ。今ここにナメクジがいたら一瞬で溶けて無くなりそうな勢いだ。それは我ら人間の感覚も間違いではない。
八八祭、純也たちが出るグループは夕方の16時だ。この祭りは夏祭りでもある、屋台も出ていて、食べ歩きも可能。さらに夜20時からは花火が打ち上がる予定だ。
なので、そこらに花火師らしき人を見かける。
純也たちは待ち合わせをお昼14時にした。八八祭の公園前だ。音楽の演奏は15時から始まって18時に終わる。16時までまだ時間がある。それまで、祭りを楽しむことにした。最初に公園前に着いたのは純也だ。黒の着物を着ている。続いて、粋也と露木が来る。2人とも着物だ。粋也はネイビーのような着物、露木は白と青い水玉のようなデザインの着物だ。
その姿をみて、純也は思わず恥ずかしそうにしていた。
純也:集まったな、行こう。とりあえずなにか買って、出番まで会場で待つか。もうすぐ15時。
と、純也は時計を見る。
茜:そうね。
粋也:レッツラゴー!!
粋也は相変わらず元気で、子供のようにはしゃぎかねない。
露木と純也は比較的落ち着いていた。
粋也:あ! ねえねえ! 水鉄砲だって! 当てたらアイテムゲット! やろうよ!
純也:1回だけだぞ、早く会場行かないといけないんだから、分かってるか?あと1時間だ。
粋也:わ、分かってるよ!
茜:ふふふっ あんまり緊張感ないわね。
純也:それが粋也のいい所だ。
茜:そうね。
粋也は水鉄砲をしていて、2人はそれを見る。粋也はやるのはいいが、何一つアイテムに当たらない。このゲームは水鉄砲の水で先にあるアイテムを倒すと、そのアイテムが貰えるというゲームなのだが、粋也は1つも当たってない。器用なのか、不器用なのか。しょんぼりしている粋也に純也が言う。
純也:はーい、ご苦労さん、会場に行くぞ。
その言葉に悔しそうながら従う粋也。それについていく露木。
会場に着くと、イベントは始まっていて、和楽器を弾いていた。もうすぐだと、緊張が高まる3人だ。
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