犬を飼い始めた話。その6

皆さん、こんにちは。

今回の記事は、余り楽しい内容になっていないと思います。辛い内容が苦手な方は、此処でおやめになって下さい。

前回のフレンチブルドッグの記事から、少し時間が空きました。

後から来た子は、相変わらず元気ですが、先住犬の方が、年齢的な事も有り少しづつ、寝ている時間も多くなりました。それでも、前回の記事で書いた様に、生活のスペースを完全に分けていますから、安心して生活が出来ている様に感じます。

そんなこんなとしている内に、妻の父親に介護が必要となり、別々の生活が始まりました。

先住犬は、妻が良く可愛がっていたので連れて行く事になり、私は後から来た子の面倒を見ていました。年齢的にも3歳ほど違っていて、散歩も行きたがるのですが、歩く距離が短くなり、犬用のベビーカーを購入したりしました。両目ともに白内障で真っ白に濁っていて、歩きながら急ぐとあちこちぶつけたりして、大変そうです。

フレンチブルドッグはずんぐりとした体形が特徴で、病院の先生にも少々太りすぎと言われる事も有ったのです。それが今は、食べる量も少なく無くなり、脚もずいぶん細くなりました。

ある朝の事でした。私が起きてみると、妻が帰って来ていて、後から来た子を妻が散歩に連れて行っているのか、彼は一人でふらふらと歩いていました。

私も少しぼーっとしていたのですが、彼がそばに寄って来て、コロンとお腹を見せました。

ホントに小さい頃しか世話を出来ていなかったのですが、幼い頃の記憶の中に、こんな風にして貰って気持ちが良かったと言う事が有るのだなと思うと、嬉しく思えました。

三つ子の魂 百まで

幼い頃の記憶は残っているのだと思います。

暫くは、そんな状態が続いたのですが、有る朝、血相を変えて妻が起こしに来ました。

急いで、1階に降りてみると、大分様子が悪く、体は痙攣して、口からは白い泡が出ていました。

先ずは、病院だよねと連れて行こうとするのですが、抱き上げようにも体が定まらず、粗相はした事が無かったのですが、脱糞もしてしまい、かなり動揺しました。

最初は、近所の小さな病院に行ったのですが、応急処置をして貰った後、大きな病院が安心だろうと転院しました。その日は、点滴をして貰い翌日だったか、連れて帰りますか?と聞かれたと言っていました。

妻から相談を受けた時、私は病院にお任せした方が良いのではないかと言った事を覚えています。

点滴をして貰ってからは、容体は安定していると言っていましたが、もし連れて帰った時、最初と同じ様な事が起こって、それが最後になってしまったら、と考えると大きな気持の負担になると考えたからです。

色々な考えが有ると思いますが、最後が辛く悲しい事になった時、何も出来ず時間が過ぎて行って、本人も周りも苦しい思いのなるなら、専門の方のお任せをして、精一杯やって貰った方が良いのではないかと考えました。

入院をして幾日か経ちました。妻は、介護合間の時間の有る時に様子を見に行っていて、点滴はしているけれど、容体は安定していると言っていました。

只、口には出しませんでしたが、もしかすると治って帰って来るかもと言う思いも有りましたが、いつ何が有ってもおかしくない事も、其々分かっていたと思います。

それから、更に幾日か経った時、病院の先生が妻に、”容体が安定しているので良かったら1日連れて帰りますか?”と聞いてくれたそうです。

それならと、連れて帰って、一緒の布団で寝ていた時に穏やかに息を引き取ったと言っていました。

彼にとっては、いつも沢山かわいがってくれた妻の傍が一番安心できる場所で、そこまで頑張ったのだろうなと考えると、奇跡と言うのは有るんだなと思います。

火葬場の段取りをして、二人で連れて行きました。最後に遺体を触って見ると、いつもの穏やかな毛並みでは有りましたが、冷たく体も固くなっていました。

骨にして貰って、色々話をしました。病院の先生が、容体が安定しているので、1日連れて帰りますかと言って頂いた日が大雨で、結構大変だった事、連れて帰った日に、いつもなら別々に寝ているのに、一緒に寝た布団の中で、穏やかに息を引き取った事…。

私たち、夫婦も色々有って、心が荒んでいた時、彼は妻の心の拠り所でした。

初めて、連れて帰った日の事、夫婦で上手く行かなかった時、いつも、妻は彼を抱いていて、沢山助けて貰ったと思う事…。

今考えれば、多頭飼いなどせず、一人だったほうが良かったのかなと思ったりします。

彼にとって、我々の傍に居た時間は、幸せだったかは分かりませんが、私達夫婦は、彼に巡り合えてよかったです。本当に、沢山助けてもらいました。

ありがとう、安らかに眠って下さい。

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