お袋との生活 その1

お疲れ様です。

今回は、昨年、亡くなったお袋の事を書きたいと思います。

82歳になるお袋が、少し日常に変化が出来始めて、最後を迎えるまでの話ですが、此処には、私の妹の事が、大きく関わってくるので、その事から、書き始めたいと思います。

私には、6歳年の離れた妹がいました‥‥‥。2年程前に、乳癌で亡くなりました。

数年前に、癌が早期発見されて、手術も受け、経過も順調で有ったと思っておりました。それはもしかすると、本人なりの気遣いで、周りには余り話さなかっただけなのかも分かりません。鈍感な私は、何の心配もしていなかったのです。

私は、20歳で香川に来ましたが、妹とお袋は、県外に住んでおりました。

父親は、自身が54歳の時に亡くなりまして、二人暮らしでした。

妹も、歳頃になり、小さな町工場に務める男性と結婚する事になりました。勿論、好きな者同士が一緒になりましたが、段々年老いていくお袋の事を考えると、内心、近くに嫁いでくれた事に安堵の気持ちが広がりましたし、彼女のお相手選びの条件にも、その事が入っていたのではと思っております。

結婚して、別所帯となりましたが、近くに住んでくれ、一人暮らしになったお袋をいつも気にかけてくれました。お婿さんも、自分の両親以上に、色々気遣いをしてくれて、有難い限りでした。

親父は、生前、色々問題が有る人で、お袋も苦労が絶えませんでしたが、二人の子供を育て上げ、近くに孫もいて、楽しい生活で有ったと思います。

最初に、乳癌が発見されて手術もしましたが、早期発見で大丈夫と聞かされ、入院時には、病院に出かけましたが、本人も割とケロッとした感じで、周りは割と安心感が広がっていた気がします。

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私も、年に2度程は、お袋に会っておりましたが、読書好きで一寸気難しい母親の年齢なりの変化は有っても、生活に支障を感じる事も無く、かえって実家にいる時は、食事や色々身の回りの事もやってくれ、穏やかな空間でした。

沢山の時を共有しなくても、違和感の無い時間を過ごせる事が、血が繋がっていると言う意味なのかと感じたりもしたのです。

そして、年末に妹から電話が有りました。ガン検診の結果があまり良くなかったとの事でした。その時点では、今すぐになにかと言う訳では無く、新しい治療が始まるのだと言う話が有り、突然の事に、唯々そうかとしか答えてやれなったと記憶しています。併せて

お母さんの事、どうする?

と聞かれ、任せておけ、なんとでもするから、しっかり治療して!と、今まで、妹に頼りっきりだったのに、いかにも、兄らしく答えていました。

この時にも、私の頭の中には、現状が急転する意識は無く、時間を掛けて色々相談出来たら良いのでは?と余り緊迫した気持ちでは無かったのです。

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ですが、現実は違っていて、私が彼女の声を聞いたのは、この時が最後になりました。

後は、お婿さんから、治療の経過の連絡が有り、少しずつ良くない方向に向かっているのが感じられました。

私は、忙しさを理由に会いに行けず、丁度、私の妻と息子がお見舞いに行った際に、亡くなりました。

後で、話を聞いてみますと、最後の瞬間は、大きく苦しまず穏やかな様子であったと言う事で、沢山の心残りは有ったと思いますが、良かったと感じました。

病室には、その場所に入りきれない程の友人知人が集まり、お袋も高齢でありながら、最後の瞬間を、近くで共有する事が出来たと聞きました。

未だ、癌の話が出ていなかった頃に、お袋が階段から足を滑らせて、怪我をししました。その時に、彼女が

これも運命だから

と言っていた事が有ります。怪我をしたのは不注意で、何かの対策で避けられたのかもしれません。しかし、つらい生活の長かった親父との時間や望まない病気の発症など自分では、どうする事も出来ない運命として、心に納得させて来たのだと思います。

色々助けてくれて、本当にありがとう‥‥‥。

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